今回はコロナ禍において、
過去最高益を叩きだしたニデック(Nidec)(旧:日本電産)の年収事情について紹介します。
ニデックは、日本を代表する企業なのにも関わらず平均年収が615万円と冴えません。
世間的に見れば高い年収水準といえますが、
高学歴層の就活生にとっては、物足りない年収水準ともいえます。
今回はなぜ日本の大企業で大きな利益を稼ぎ出すニデックの年収が低いのかについて調査しました。
ニデック(旧:日本電産)とは
ニデックとは、京都に本社をおく世界屈指の電動モーターの会社です。
四季報には、以下のように紹介されています。
まず、HDDというワードが出てきました。
HDDとはハードディスクドライブの略で、
データやプログラムなどの情報を書き込んだり、
修正したりすることのできる記憶装置のことです!
ニデックはもともと、
HDDの大量生産を競合他社よりもいち早く開始したことで急成長してきた会社なのです。
現在は、今後大きく普及するであろう、
電気自動車用のモーター開発に全力で取り組んでるみたいです。
ニデックが鴻海へのEVモーター供給に向け合弁検討開始https://www.sankei.com/article/20210721-PI36QJS4GZJ5NKNAVB4JKS3I2Q/
そして「買収に積極的」と紹介されています。
これは、ニデックがこれまでM&Aで大きく成長してきたからです。
ニデックの永守代表は、
不況の際に多数の企業を買収する手法で数多くのM&Aを成功させてきました。
なぜ平均年収が615万円と冴えないのか?
2020年3月の有価証券報告書によると、
ニデックの平均年収は615万円だそうです。
私はこの年収をみて、「想定していたより、低い」という感想を持ちました。
なぜなら、ニデックは日本の製造業を代表するトップメーカーであり、
その分社員の責任も大きくなると考えたからです。
確かに日本企業の平均年収が400万円台といわれているなかで、
600万円の平均年収が高い、給料が高いと感じる感じる方もいるかもしれません。
しかしニデックに入社する新卒社員は、高学歴な方も少なくなく、
そういった高学歴就活生にとっては600万円台の年収は低い方であるという印象を持ちます。
600万円未満 低い
600〜700万円未満 やや低い
700〜800万円未満 許容レベル
800〜900万円未満 やや高い
900万円以上〜 高い
ただし製造業、メーカーは高卒社員の平均年収も含めているケースが多いため、
オープンワークの収入満足度をチェックしました。
オープンワークの収入満足度をみると、
評価 2.3/5点とかなり渋い結果がでてきました。
一応点数の見方を紹介すると、
5点のうち、3点を超えていたら収入満足度は可もなく不可もなしで、
3.5点を超えていたら収入満足度は高いという印象をもっています。
このように、年収も低いため従業員の収入満足度も低いという結果が出てしまったニデックですが、
なぜ低いのでしょうか。
考えられる理由を3つ紹介します。
①稼いだ収益をM&Aに再投資している。
ニデックは四季報で、買収に積極的と紹介されているように、
多額の資金を他の企業を買い取るために使用しています。
そのため、「従業員の待遇改善は後回し」といった状況なのでしょう。
②良い意味でも悪い意味でもトップダウン経営
永守代表は、テレビ東京の「カンブリア宮殿」に何度か出演するほどの
日本を代表する名経営者です。
永守代表のスピード感と決断力は、
ニデックの成長に間違いなく大きな効果をもたらしました。
しかし、永守代表は組織の成長に力を注ぐあまり
従業員視点での考え方がやや弱いのではないかと考えられます。
実際に過去にカンブリア宮殿では、
経営学部を出ても経営のことを全く知らず、
税金のことも何も分からない新卒学生が多いと苦言を呈し、
「名刺の出し方も知らないという人が毎年何百人も出てくる」などと発言したことがSNSで大きく炎上しています。
従業員視点が弱いのはこうした発言からも読み取れます。
③本社が地方に立地している
ニデックは京都に本社を構えています。
本社所在地:京都府京都市南区久世殿城町338
京都の最低時給は、909円と東京や大阪に比べて低い水準となっています。
こうした地域的側面も収入面を検討するうえで、影響してくると思います。
まとめ
ニデックの年収が低い理由について、3つの要素から検討しました。
現在は業績絶好調なニデックですが、
永守代表がニデックを去ったとき、果たしてニデックを率いていく優秀な人材が現われるのかが疑問となっています。
ニデックは企業規模や知名度に応じた待遇面の改善を進めなければ、
競合他社に優秀な人材が流出してしまうのではないでしょうか。
また企業を選ぶうえでは、
ニデックのように積極的M&Aをしていて、かつオーナー社長の発言力が強いという特徴をもつ企業への就職は収入面について一度よく検討する必要がありそうです。
今後のニデックの動向に注目です。
またニデックに限らず、企業の知名度だけで就活や転職活動を進めるのは危険です。
自分自身が「働く際に何を重視しているのか」を今一度振り返ることが大切だと思います。
そのためにも、暇があったら自己分析等を進めてみましょう。