今回はIT業界の就職偏差値について掲載する。
皆さんはネット上に転がっている就職偏差値サイトをみて、あまりの情報の古さに愕然とした経験があるのではないだろうか。
また最近投稿された偏差値サイトでも、個人ブロガーの主観でまとまっており信憑性に疑問があるサイトばかりである。
今回は令和版2chとの呼び名も高いLINEの匿名掲示板「オープンチャット」で導き出されたランキングを紹介する。
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LINEのオープンチャットとは
オープンチャットとは、匿名で共通の話題について語ることができる「現代版2ch」のことである。
かつては2ちゃんねるを通じて発信されていたリアルタイムな情報も、参加者らがオープンチャットに移行したことで情報収集において欠かせないツールとなっている。
LINEのホームページには以下のように紹介されている。
オープンチャット「5つの特徴」※LINE公式HPより
巨大グループ「IT業界格付け研究所」
参加者719名(2021年7月10日現在)をほこる、業界に特化した就職偏差値をテーマにしたグループである。
主に就職活動を終えた24卒の就活生、これから就職活動をはじめる25卒、26卒の学生、そして社会人によって議論されている。
興味のある方は以下のURLから参加が可能だ。
オープンチャット「IT業界格付け研究所」
https://line.me/ti/g2/6_RMvWHnhaVInzdGw6_mqQ?utm_source=invitation&utm_medium=link_copy&utm_campaign=default
就職偏差値とは
就職偏差値とは、入ったらいかに「すげーっ」と思われるか、「ドヤれるか」といった軸で決められている。
これは入社難易度に比例するため、入社難易度とイコールとして考えてよい。
先に断っておくと偏差値自体は主観的かつ曖昧なものであるが、
これからのキャリアを切り拓いていく学生にとっては重要な企業選びの軸の一つになる。
いつの時代も就職偏差値は議論されてきた
昭和時代
就職偏差値に関する議論は、高度経済成長期頃からあったと考えられる。
1950年代の日本では、地方で農業を継ぐのではなく、
大学を出て大企業に入社するという選択肢が当たり前になりつつあった。
当時は経済成長真っ盛りであったため、
公務員になるより証券会社や銀行へ入社することがステータスであるという風潮があったという。
私の祖父もそんな風潮に乗っかって、証券会社への入社を決めた若手の一人であった。
平成時代
平成になるとインターネットが普及し、就職活動を進めていくうえで、「2ch」「知恵袋」といったインターネットサービスを使って情報交換が進むようになった。
特に2chにおいては、就職活動スレッドにおいて多くの就活生が夜な夜な議論を交わし就職偏差値表を完成させるようになった。
この就職偏差値表で特に有名なのが、就職偏差値ランキング委員会が運営しているものである。
このサイトは残念ながら、2019年で偏差値ランキングの更新が止まっている。
令和時代
令和になると2chを利用する若者世代が減少し、代わりにLINEのオープンチャットの利用者が増加した。
LINEに登録していれば、誰でも簡単に匿名で話せるという利便性から、就活生の多くが重宝するツールとなっている。
オープンチャットでは昼夜問わず企業の格付けについて日々議論がなされており、最新の情報が日々飛び交っている。
就職偏差値をはかる主な要素
①入社難易度
・人の質(エントリー者の学歴、併願先)
人の質とは、ずばり「どの大学に所属しているか」がメインとなる。
特に、「東京一工」(東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学)の学生が内定者の中心といった企業は就職偏差値において高く評価される。
またかなりレア者であるが、中にはスタンフォード大学、カリフォルニア大学、マサチューセッツ工科大学など海外大学の内定者もおり、偏差値ポイントは跳ね上がる。
・年収(現状+転職でいくら伸ばせるか)
東京商工リサーチによると、上場企業(2018年決算、2591社)の平均年収は606万2000円であり、高年収を得たい学生にとっては、この平均年収を大きく上回りたいという思いがある。
世間的には平均年収800万円を超えると世間的に高年収、高学歴層の基準でいうと平均年収1000万円を超えると高年収という感覚だろうか。
・社格(業界順位や知名度)
社格とは企業の格、重厚感、ブランド力、社会的影響力などの複数の要素で構成されているものである。
社格が高ければ高いほど、
①関係先企業へのバイイングパワーが強く交渉しやすい
②就職後の転職活動が容易
③役職定年後の待遇が良い(出向など)
④内定先自慢を生涯に渡って可能
など例をあげると止まらない。
・勤務地(全国転勤の有無、東京勤務が至高)
いかに東京などの都心、または海外駐在が可能かどうかがこの項目に含まれる。
多くの学生にとって、国内外含めアーバンライフ(都会での生活)は憧れそのものである。
欲しいモノがすぐに手に入り、行きたいライブやイベントに気軽にアクセスできるなど多くの魅力が都会にはあるからだ。
また海外駐在においては、企業のカネで語学力をアップさせたり、
レジュメ映え(転職活動時に加点)を行える点が高く学生に評価されている。
一方の地方都市への全国転勤がある企業は、人生設計が難しい点から嫌悪されがちである。
・モテ度(恋愛四季報偏差値)
いかに合コン映えするか、マッチングアプリ映えするか、
地元で黄色い声を聞けるかがポイントになる。
恋愛四季報(フェリーチェ運営)では日本の大企業を中心に、
モテ具合を神ランク、SSランク、Sランク、Aランク、Bランクの5段階で評価している。
これらのランクに掲載される企業は、合コンを経験した女性社会人による口コミが中心となっており、学生視点では見えづらい貴重な情報である。
いざ大企業に入ったは良いものの、
全くモテないなんてことにならないよう、企業チェックに活用すると良いだろう。
②WLB(ワーク・ライフ・バランス)
・残業時間
定時であがり、趣味の時間に充てたいと考える学生は多い。
健康的で充実した生活を過ごしていくうえで、人間らしい働き方ができるかどうかは重視されるべき項目である。
企業のなかには、当初からみなし残業として45時間を与える労働契約をしているところもあり、要チェックである。
・年間休日
労働条件総合調査 によると、年間休日の平均は108日だそう。
特に完全週休2日制を採用している企業は、年間休日数が120日前後になる計算だ。
土日祝を還元して仕事をしている企業も一定数あるため、
東洋経済新報社の就活四季報「有給取得日数」の確認が最も手っ取り早く、正確であろう。
以上の基準から、導き出されたIT企業の就職偏差値ラランキングは以下の通りである。
なお入社難易度で優劣をつけ難い時は、wlbが優先されることとした。
IT業界就職偏差値ランキング
以下ではまず総合版の就職偏差値を紹介し、その後分野別の就職偏差値をお伝えします。
あとで見返せるように、URLをメモにコピーするなり、SNSに共有するなり、
忘れないよう保存することをおすすめします。
総合版
「海外トップ大学勝ち」~「Fラン勝ち」ランクの9段階に企業レベルを分割しており、
ITコンサル、SIer、WEBサービス、ソフトウェア、ハードウェアなど多種多様な業界を網羅している。
以下ではIT企業を業種別に分類して偏差値をまとめた。
ITコンサルティング就職偏差値
掲載企業数:15社
野村総研(NRI)アビームコンサルティング アクセンチュア
==早慶・旧帝上位勝ち==
==早慶・旧帝中位勝ち==
大和総研
ウルシステムズ シグマクシス
==早慶・旧帝下位・上理勝ち==
シンプレクス フューチャー ベイカレント JSOL みずほR&T アバナード
==MARCH・関関同立勝ち==
イグニションポイント
==日東駒専・産近甲龍勝ち==
NTTデータマネジメントサービス
==大東亜帝国・摂神追桃勝ち==
VSN
SIer就職偏差値
掲載企業数:48社
NTTデータ
==早慶・旧帝中位勝ち==
日鉄ソリューションズ(NSSOL)電通国際情報サービス(ISID) 日本総研
==早慶・旧帝下位・上理勝ち==
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC) SCSK NTTコムウェア NTTデータフィナンシャルテクノロジー NTTデータ先端技術
オービック 三菱UFJインフォメーションテクノロジー
==MARCH・関関同立勝ち==
日立ソリューションズ・システムズ 富士通Japan 富士通エフサス 大塚商会 NECソリューションイノベータ NECネッツエスアイ TIS 農中情報 三井情報 東京海上日動システムズ トヨタシステムズ NTTデータアイ 富士通Japan 富士通エフサス 大塚商会 NECネッツエスアイ CLIS ニッセイ情報テクノロジー 兼松エレクトロニクス 三菱UFJトラストシステム(MUSK)ネットワンシステムズ 明治安田システムテクノロジー 丸紅情報システムズ セゾン情報システムズ 都築電気
==日東駒専・産近甲龍勝ち==
NTTデータフロンティア NTTデータカスタマサービス NTTデータNJK DTS JR東日本情報システム インテック 三菱総研DCS キヤノンITソリューションズ
==大東亜帝国・摂神追桃勝ち==
コア ジャステック CIJ キューブシステムNSW
WEBサービス就職偏差値
掲載企業数:28社
Google Meta Amazon AWS
==海外トップ大学勝ち==
Bloomberg
==東京一工勝ち==
==早慶・旧帝上位勝ち==
NTTコミュニケーションズ KDDI NTTドコモ メルカリ
==早慶・旧帝中位勝ち==
リクルート ソフトバンク DeNA NTT東日本 Yahoo
LINE 楽天
==早慶・旧帝下位・上理勝ち==
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ BIPROGY(旧 日本ユニシス) サイバーエージェント
NTT西日本 電通デジタル
==MARCH・関関同立勝ち==
マイクロアド ドワンゴ ぐるなび マネーフォワード
==日東駒専・産近甲龍勝ち==
DYM HR Force トランスコスモス
==大東亜帝国・摂神追桃勝ち==
ソフトウェア就職偏差値
掲載企業数:36社
==海外トップ大学勝ち==
Salesforce SAP
==東京一工勝ち==
日本IBM 日本オラクル
==早慶・旧帝上位勝ち==
==早慶・旧帝中位勝ち==
トレンドマイクロ
ジャストシステム
==早慶・旧帝下位・上理勝ち==
==MARCH・関関同立勝ち==
サイボウズ Sky NTTデータウェーブ NTTデータMSE NTTテクノクロス NECソリューションイノベータ パナソニックコネクト アビームシステムズ オービックビジネスコンサルタント(OBC) freee ユニアデックス HENNGE TKC ビジネスエンジニアリング
==日東駒専・産近甲龍勝ち==
NTTデータフォース 日立ソリューションスクリエイト NSD データX TDCソフト 富士ソフト クレスコ Works Human Intelligence MS&ADシステムズ ソニーグローバルソリューションズ
==大東亜帝国・摂神追桃勝ち==
メイテック SCSKMinoriソリューションズ システナ
ハードウェア就職偏差値
掲載企業数:6社
==海外トップ大学勝ち==
==東京一工勝ち==
==早慶・旧帝上位勝ち==
==早慶・旧帝中位勝ち==
富士通 NEC
HPE(ヒューレット・パッカード・エンタープライズ)
==早慶・旧帝下位・上理勝ち==
富士フイルムビジネスイノベーション
==MARCH・関関同立勝ち==
==日東駒専・産近甲龍勝ち==
ルネサスエレクトロニクス
==大東亜帝国・摂神追桃勝ち==
代表的なランクについて
=海外トップ大学勝ち=
芸能人と付き合えるレベルとして評価できる、唯一無二のエリート集団である。
内定者のメインは海外大学など。
このレベルの企業になると、内定すること自体がステータスであり、人生バラ色確実である。
企業としては、GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック(メタ)、アップル、マイクロソフト)がランクインしている。
外資系企業ゆえに雇用の安定性に多少不安が残るものの、
履歴書にはGAFAM勤務の経歴が残るため、再就職先に困ることはないだろう。
=東京一工勝ち=
人生で一度も挫折を味わったことがないサラブレッド集団である。
内定者のメインは東京大学など。
ステータス、給与、モテ度、将来性など全ての要素において、
文句の付けようがなく、日本経済を牽引していく頭脳派集団である。
企業としては、一流の外資系CRMベンダーがランクインしている。
=早慶・旧帝上位勝ち=
言わずもがな、エリート集団である。
内定者のメインは、京都大学、東京工業大学など。
多くの就活生は本音をいえば、これらの企業へ入社したいのだ。
東京大学を出ても入社は容易ではなく、就活社会のオアシスである。
企業としては、外資系ITコンサル企業がランクインしている。
特に外資系コンサルティング企業であるアクセンチュアは、
入社5年次の平均年収が700~1,000万円と言われており、就活軸が収入である就活生には強くおすすめできる企業だ。
アクセンチュアでは職種別採用を実施しており、大きく分けて、戦略コンサルコース、ビジネスコンサルコース、SEコースの3つがある。SEコースは他社と比較し採用人数も多く、最近ビジネスコンサルタントコースの初年次年収と同額になるよう、引き上げられたようで待遇が良いといえる。
早慶レベルでSEを目指す学生は、SEコースの応募も視野に入れると良いだろう。
=早慶・旧帝下位・上理勝ち=
超一流企業である。
内定者のメインは、東京一工や早慶上位学部など。
内定を得るには、人一倍の努力が必要とされる。
夏のインターンシップやOB訪問など早期での対策が何かしら求められる。
企業としては、日系ITコンサル企業、一流SIer(ユーザー系)がランクインしている。
特にNSSOL(日鉄ソリューションズ)は、オープンワークの口コミを読む限り、
現役社員・OBOG社員より高く評価されている企業である。
NSSOLでは「SEのタマゴ養成講座」などのインターンを実施しており、
参加を通じて社員の雰囲気や業務の肌感覚を掴むと良いだろう。
=MARCH・関関同立勝ち=
一流企業である。
内定者のメインは、旧帝大や早慶上智など。
ここでも内定獲得のためには、十分な対策が求められる。
企業としては、楽天やサイバーエージェントなど巨大IT企業がランクインしている。
楽天を受ける際には三木谷氏の本を読んで、
楽天カルチャーの特徴を抑えて就職試験に臨むことをおすすめしたい。
毎年就活生を大量採用しているので、それだけで採用確率がグンと高まるからだ。
=日東駒専・産近甲龍勝ち=
大企業である。
内定者のメインは、MARCHや関関同立など。
人生の勝ち組として、キャリアをスタートさせる。
企業としては、大手一流企業のグループ会社(子会社)がランクインしている。
総合商社や大手金融機関、大手メーカーの情報システム部門としての役割を担うグループ企業は、
その安定感と高い給与水準(本体の7〜8割ほど)から就活生から案外人気が高い。
きちんと企業分析をしたうえで、面接に臨みたいところだ。
主な問題点
①多種多様な業界を網羅するうえで、業界ごとのヒエラルキーをどう処理するか。
②内定者を多く出している企業の投票の偏りについて。
このように問題点も一部孕んでいるため、企業偏差値が±1~2上下することはあり得る。
注意点
最下層だからといって自分の内定先を卑下する必要は一切ないということだ。
このランキング表に掲載されている企業は、Google,Amazonなどの外資系企業をはじめ、東証一部上場企業のなかでもcore30,large70,topix100に掲載されているような難関企業ばかりである。
このランキング表に掲載されていること自体が名誉なことであるため、
自信をもって内定先を家族、友人、親戚などに伝えよう。
なお就職偏差値は日々上下変動を繰り返しているため、その点は留意頂きたい。
まとめ
就職偏差値ランキングをみて、
単に上にあるから、下にあるからといった企業選びはオススメできない。
あくまでも、
「就職活動の余韻に浸りたい」「就職活動の成果を他者に分かりやすく伝えたい」
といったように用途は限定した方が良いだろう。